1970年代の納経帳の公開にあたって

亡義父の遺品の中から、この納経帳を見つけた時、私の四国遍路の計画が、始動した。

彼の最後の任地は高松で、どうやらその数年間、札所をかなり廻ったらしい。
帳面を調べると、ほとんど押印されてあったが、数カ所だけ空白ページがあり、完成間近で断念したことが、うかがえた。うーん、あまりにも勿体ない! それで、この納経帳を完成させるべく、私は四国に旅立った。2007年の夏の日のことだった。


今からご紹介する納経帳は、1970年前後のもので、朱印がふたつ押してあるページは義父が最初に参詣し、次に私が参った札所である。なので、そこにある墨書は、70年代当時のもの。これは札所の関係者にとっても珍しいらしく、差し出したページを見て「あ、これは先代の字!」と嬉々として写真を撮る人もいれば、密かに撮る人もいた。(最初はなんで撮るのか分からなかった)


この帳面は、義母に託して義父のもとへ届ける予定なのだけれど、まるで無くしてしまうのも勿体ないので、デジタル化して(というほどうまく撮れてないが)保存しておくことにした。同時に、誰かの何かの役に立つかもしれないので、公開することにした。


公開ペースは、毎日一枚ずつくらいになる予定。それでも、夏までには終わると思う。ぼちぼちなので、気長にお付き合いください。



さて、納経帳の最初のページに、こんなものがはさまっていた。



広げてみると、おお、地図ではありませぬか。
参詣した札所には×がつけてある。



裏面には、旅の心得が書いてある。郵便為替音信とか、ロマンチックすぎる注意書きも。忘れてしまった昭和のかほりが甦る!



札所の御詠歌も、載っている。なんてコンパクトなガイドブックだ。


明日につづく…


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